2014年05月03日
ノーマ・フィールド 2014憲法講演会
―改憲の動きに対してどんな感想をお持ちか?-
改憲の動きに対して、これまでも細かい点では解釈改憲がずっと行われてきていた。厳守したいという人たちもどこかで流されたり、現実に流され、改憲も仕方がないと言ってきたけど、いくら憲法9条を弱められてはきても、いまでもしっかりと変えようとまではしていない、させていない。
現実とは離れているから仕方がないという気持ちの人も多いが、もし9条に意味がなく、9条が形骸化されているのであれば、ここまで頑張っては、これなかったはずで、やはり、憲法9条は絶対的な要である。ぼろぼろだけれどしがみつかないといけない。品川正司さんの言葉で、憲法9条の旗はボロボロでも手放すわけにはいかない、生地は残っている。しがみつくべきですね。
解釈改憲の閣議決定の仕方、そこまで 平気で民主主義を無視することを 許すことができるのか、と思ってもどうやって行動に移せるか難しいことだけれども、60年安保のように 包囲できるのか 何ができるのか、包囲しても安保改定が通されてしまった。どうすればよいのでしょうか。
全国的な規模で無理だとしても沖縄では踏ん張っている。小さいからこそ、団結して、統一する可能性が全国よりもある。
たとえば、南アフリカ、アパルトヘイトの弾圧はすごかったが、南アフリカ ではアパルトヘイト政権がなくなったことを独立という。
アパルトヘイトがあっても、政治活動をアメリカ人よりも信用しているかもしれない。アメリカ人はしょうがないと思っているが、南アフリカ人は何か立ち上げれば届くところがあるという確信があったという。南アフリカも小さい国なので、このように、沖縄は小さい規模を生かすしかない。
―9条、集団的自衛権などの話について、利害、損失がある地域は米軍基地のある沖縄。辺野古に基地を作らせない沖縄県民の思いと、安倍政権の集団的自衛権解釈改憲の問題との関係をどういう風に切り結んでいくか?―
そもそもアメリカは辺野古の基地を望んでいるか疑問ですね。2008年の時点でも実は日本の防衛省が新しい基地を望んでいるのではないかという話もある。沖縄の人々は、オバマ政権に期待したが、あまり変わらず、がっかりしていると思います。
でもそこを、沖縄の人たちが日本政府に対して踏ん張ることができたら、アメリカは辺野古をそのまま主張できるだろうかと思うんです。
今アメリカは中東で手一杯で、尖閣問題とか本当はも迷惑とか思っているのではないか、いくらアジアの許可を取ってアジアに関与しているといっていても、そんな余裕はなく、実質的には極東はおさまっていてほしいというのが本音ではないのか。
無理やりに解釈改憲を閣議決定など本当に本音でやってほしいのか、やってほしくないのではという疑問もある。その意味では注意深く見てみると、悲しいけど、日本にはまだ外圧が効果ありそう。
でも外圧とは別に、国民が日本国憲法を自らの手で再確認しなければならない時期じゃないかと思う。かつて押しつけ憲法論がありましたが、その時思ったのは、イタリア映画「イルポスティーノ」の話。チリの独裁政権成立した時、CIAの陰謀で、パブロネルーダという詩人がイタリアに亡命し、郵便配達夫のマリオがこの世界各地から手紙が来るパブロネルーダとはだれなのか、と思って詩と接してきて、あるとき、そのネルーダの詩を、自分の恋人の女性にうたったが、ネルーダが盗作で自分のものを使っているじゃないかと文句を言ったが、詩は必要とした人間のものなのだとマリオが主張した。
憲法9条も、必要としているのは日本国民、ここまでボロボロでも保ち続け縫い合わせていかなければならない国民が必要なもの。握り続けた日本国憲法の旗ではないですか。福島や沖縄などの地域から安全な遠い地域から何を言うかという面もあるかと思いますが、リスクをともなう運動は避けられないが、これについて、どこまで不服従の市民運動が続けられるか。その中で運動にうつむく若者に対しても思いをめぐらすべきで、生活も気にするし、理念だけでは人は食べていけないので。
―最後に、憲法集会参加の沖縄県民へのメッセージを―
由緒ある憲法集会に、このような形での参加機会を与えてもらい光栄で、勉強にもなって感謝している。三上さん、与那嶺さん、儀間さん、3人の女性の鼎談が憲法集会のメインに企画されるということで、この意味でも参加させてもらったことを喜んでいる。
三上さんの標的の村を一部ユーチューブで見て、涙が止まらなかった。とくに分断の場面映してもらって感謝している。というのも福島の状況や世界の基地のあるところ、原子力産業のかかわりあるところと重なるところがある。
こういう意味で、福島同様、危機に瀕している沖縄、危機に瀕している憲法9条、そして前文の関係で、人間すべてに心を寄せた、人間はどのような生き方ができるはずなのか、これを言葉にしているのが憲法前文とそれを結晶にした9条。9条が前文の理念を凝縮している。危機に瀕した憲法について、正念場にある沖縄の戦いが、日本国民全員、地球の武力ない生活を希求するすべての人の戦いを象徴してくれている。この犠牲を小さな沖縄に押し付けているのは、なさけない現実であるが、歴史はチャンスがあるときに動かなければならない。
非暴力の戦いの条件がそろいつつある沖縄は、本当に貴重で大事な地域だと思う。言葉でしか声援をもうしわけなく思っていますが、全身全霊でみなさんの人類のための尊い戦いに声援を送りたい。
改憲の動きに対して、これまでも細かい点では解釈改憲がずっと行われてきていた。厳守したいという人たちもどこかで流されたり、現実に流され、改憲も仕方がないと言ってきたけど、いくら憲法9条を弱められてはきても、いまでもしっかりと変えようとまではしていない、させていない。
現実とは離れているから仕方がないという気持ちの人も多いが、もし9条に意味がなく、9条が形骸化されているのであれば、ここまで頑張っては、これなかったはずで、やはり、憲法9条は絶対的な要である。ぼろぼろだけれどしがみつかないといけない。品川正司さんの言葉で、憲法9条の旗はボロボロでも手放すわけにはいかない、生地は残っている。しがみつくべきですね。
解釈改憲の閣議決定の仕方、そこまで 平気で民主主義を無視することを 許すことができるのか、と思ってもどうやって行動に移せるか難しいことだけれども、60年安保のように 包囲できるのか 何ができるのか、包囲しても安保改定が通されてしまった。どうすればよいのでしょうか。
全国的な規模で無理だとしても沖縄では踏ん張っている。小さいからこそ、団結して、統一する可能性が全国よりもある。
たとえば、南アフリカ、アパルトヘイトの弾圧はすごかったが、南アフリカ ではアパルトヘイト政権がなくなったことを独立という。
アパルトヘイトがあっても、政治活動をアメリカ人よりも信用しているかもしれない。アメリカ人はしょうがないと思っているが、南アフリカ人は何か立ち上げれば届くところがあるという確信があったという。南アフリカも小さい国なので、このように、沖縄は小さい規模を生かすしかない。
―9条、集団的自衛権などの話について、利害、損失がある地域は米軍基地のある沖縄。辺野古に基地を作らせない沖縄県民の思いと、安倍政権の集団的自衛権解釈改憲の問題との関係をどういう風に切り結んでいくか?―
そもそもアメリカは辺野古の基地を望んでいるか疑問ですね。2008年の時点でも実は日本の防衛省が新しい基地を望んでいるのではないかという話もある。沖縄の人々は、オバマ政権に期待したが、あまり変わらず、がっかりしていると思います。
でもそこを、沖縄の人たちが日本政府に対して踏ん張ることができたら、アメリカは辺野古をそのまま主張できるだろうかと思うんです。
今アメリカは中東で手一杯で、尖閣問題とか本当はも迷惑とか思っているのではないか、いくらアジアの許可を取ってアジアに関与しているといっていても、そんな余裕はなく、実質的には極東はおさまっていてほしいというのが本音ではないのか。
無理やりに解釈改憲を閣議決定など本当に本音でやってほしいのか、やってほしくないのではという疑問もある。その意味では注意深く見てみると、悲しいけど、日本にはまだ外圧が効果ありそう。
でも外圧とは別に、国民が日本国憲法を自らの手で再確認しなければならない時期じゃないかと思う。かつて押しつけ憲法論がありましたが、その時思ったのは、イタリア映画「イルポスティーノ」の話。チリの独裁政権成立した時、CIAの陰謀で、パブロネルーダという詩人がイタリアに亡命し、郵便配達夫のマリオがこの世界各地から手紙が来るパブロネルーダとはだれなのか、と思って詩と接してきて、あるとき、そのネルーダの詩を、自分の恋人の女性にうたったが、ネルーダが盗作で自分のものを使っているじゃないかと文句を言ったが、詩は必要とした人間のものなのだとマリオが主張した。
憲法9条も、必要としているのは日本国民、ここまでボロボロでも保ち続け縫い合わせていかなければならない国民が必要なもの。握り続けた日本国憲法の旗ではないですか。福島や沖縄などの地域から安全な遠い地域から何を言うかという面もあるかと思いますが、リスクをともなう運動は避けられないが、これについて、どこまで不服従の市民運動が続けられるか。その中で運動にうつむく若者に対しても思いをめぐらすべきで、生活も気にするし、理念だけでは人は食べていけないので。
―最後に、憲法集会参加の沖縄県民へのメッセージを―
由緒ある憲法集会に、このような形での参加機会を与えてもらい光栄で、勉強にもなって感謝している。三上さん、与那嶺さん、儀間さん、3人の女性の鼎談が憲法集会のメインに企画されるということで、この意味でも参加させてもらったことを喜んでいる。
三上さんの標的の村を一部ユーチューブで見て、涙が止まらなかった。とくに分断の場面映してもらって感謝している。というのも福島の状況や世界の基地のあるところ、原子力産業のかかわりあるところと重なるところがある。
こういう意味で、福島同様、危機に瀕している沖縄、危機に瀕している憲法9条、そして前文の関係で、人間すべてに心を寄せた、人間はどのような生き方ができるはずなのか、これを言葉にしているのが憲法前文とそれを結晶にした9条。9条が前文の理念を凝縮している。危機に瀕した憲法について、正念場にある沖縄の戦いが、日本国民全員、地球の武力ない生活を希求するすべての人の戦いを象徴してくれている。この犠牲を小さな沖縄に押し付けているのは、なさけない現実であるが、歴史はチャンスがあるときに動かなければならない。
非暴力の戦いの条件がそろいつつある沖縄は、本当に貴重で大事な地域だと思う。言葉でしか声援をもうしわけなく思っていますが、全身全霊でみなさんの人類のための尊い戦いに声援を送りたい。
Posted by 沖縄県 憲法普及協議会 at
21:54
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2014年04月23日
2014年憲法講演会のご案内
2014憲法講演会のご案内
会員の皆様にはいつもご支援ご協力頂きありがとうございます。
2014年憲法講演会が近づいてまいりました。憲法適用外の1966年から毎年開催してきた憲法講演会は今年で49回目を迎えます。
今回は、沖縄タイムス記者で名護・辺野古の情勢を精力的に取材している儀間多美子さん、この3月まで琉球朝日放送のキャスターをつとめ、映画『標的の村』の監督として国内外に「高江」を発信する三上智恵さん、琉球新報記者としてワシントンに駐在し、東京経由ではな沖縄の視点に立った情報を伝えた与那嶺路代さんの3人のジャーナリストによるクロストークがあります。
また、昨年大好評をいただきました「朗読劇」のPART2として『いま、憲法のはなしー戦争を放棄する意志ー』を上演致します。
スペシャル企画(ちらしには未掲載)には1月に発表がありました「辺野古新基地反対」海外識者署名者のひとり、ノーマ・フィールドさん
(シカゴ大学名誉教授)のビデオメッセージも企画しています。
「改憲」や「集団的自衛権」の解釈変更、「武器輸出三原則」の廃止などが声高に叫ばれる今日、はかりしれない大きな犠牲のもとにうまれた世界に誇るべき平和憲法を生かし、命と未来をまもるために皆さんと一緒に考えたいと思います。
どうぞお誘いあわせのうえ、お一人でも多くご参加いただけますようご協力よろしくお願い致します。
≪ノーマ・フィールドさんプロフィール≫
1947生まれ。「沖縄」などを取り上げた『天皇が逝く国で』全米図書賞受賞。源氏物語や小林多喜二の研究でも知られる。シカゴ在住。
続きを読む
会員の皆様にはいつもご支援ご協力頂きありがとうございます。
2014年憲法講演会が近づいてまいりました。憲法適用外の1966年から毎年開催してきた憲法講演会は今年で49回目を迎えます。
今回は、沖縄タイムス記者で名護・辺野古の情勢を精力的に取材している儀間多美子さん、この3月まで琉球朝日放送のキャスターをつとめ、映画『標的の村』の監督として国内外に「高江」を発信する三上智恵さん、琉球新報記者としてワシントンに駐在し、東京経由ではな沖縄の視点に立った情報を伝えた与那嶺路代さんの3人のジャーナリストによるクロストークがあります。
また、昨年大好評をいただきました「朗読劇」のPART2として『いま、憲法のはなしー戦争を放棄する意志ー』を上演致します。
スペシャル企画(ちらしには未掲載)には1月に発表がありました「辺野古新基地反対」海外識者署名者のひとり、ノーマ・フィールドさん
(シカゴ大学名誉教授)のビデオメッセージも企画しています。
「改憲」や「集団的自衛権」の解釈変更、「武器輸出三原則」の廃止などが声高に叫ばれる今日、はかりしれない大きな犠牲のもとにうまれた世界に誇るべき平和憲法を生かし、命と未来をまもるために皆さんと一緒に考えたいと思います。
どうぞお誘いあわせのうえ、お一人でも多くご参加いただけますようご協力よろしくお願い致します。
≪ノーマ・フィールドさんプロフィール≫
1947生まれ。「沖縄」などを取り上げた『天皇が逝く国で』全米図書賞受賞。源氏物語や小林多喜二の研究でも知られる。シカゴ在住。
2014年4月23日
憲法普及協議会
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タグ :2014ちらし
Posted by 沖縄県 憲法普及協議会 at
19:49
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